【コラム】ノースオタゴ留学日記

ノースオタゴ留学日記[2]
 
HO加藤竜聖&CTB松山千大
ノースオタゴ州代表スコッド入り。
 
 
 ノースオタゴに留学中のHO加藤竜聖とCTB松山千大。所属していたValleyは7月13日、地区の決勝で19-20と惜敗したが、2人ともノースオタゴ州代表のスコッド入り。NZの国内選手権(NPC)の2部にあたるハートランドチャンピオンシップに挑戦中だ。
 7月16日に発表されたスコッドはFW19、BK14の33人。18日からスコッドとしての練習が始まった。チームは州内のクラブから選抜されるが、クラブの大会に5試合以上出ていることが条件。2人ともその基準をクリアした。練習は週2回だが、内容も密度もクラブの時より一段とハードになった。
「これまで対戦した顔見知りの選手が何人もいます。選抜されているのでスキルある選手も多いし、ノースオタゴを背負って戦うというハートがすごく強い」(加藤)
 BKの松山も、練習内容の変化を感じる。
「言葉は変わらず苦労してるんですが、クラブチームよりストラクチャーがしっかりしている。最初のミーティングでサインプレーをばーんと出されて、まずそれを覚えることからですが、頭に入ってしまえば楽かなと」
 チームはloan playerとして、2名が地域外から登録が認められており、その一人がBKのサム・ウォルシュ。U23セブンズのアメリカ代表にも選ばれたキレある選手だ。
 実はサムの「滞在先」は、2人が暮らすフラット。8月末に加藤の家族が来るため、あらかじめ広めの部屋を借りていたがヘッドコーチから「家族が到着するまで」と頼まれ、現在は3人で生活中だ。
 想定外の事態も、松山は「めっちゃラッキー」と前向き。「英語の勉強をしたかったので、身近に生の英語を喋れる人がいると覚えられるし、僕はBKなので、トレーニングも一緒にできる」
 料理上手の松山は「ステーキを食べるのに疲れて」食べやすいローストビーフに挑戦中。
「サムに食べさせたら、“オーマイガーッ!”と。僕の料理がアメリカに認められました(笑)」

 滞在中に料理の腕も上げそうだ。2人にとって、心強い味方も出来た。地元オマルに長年住んでいる日本人女性のヨウコさんだ。出会いは小さな偶然から。たまたま2人が行きつけではないスーパーに買い物に訪れた際、レジで接客していたのがヨウコさんだった。
その場ですぐに意気投合。日本人コミュニティにも紹介され、今では2週間に一度は夕食に招かれるように。ご主人と息子も昔ラグビーをやっていたご経験があり、2019W杯日本大会も家族で観戦。2人の試合の日は必ず知り合いの日本人を誘って応援に来てくれる。
「僕たちが会った日は、ヨウコさんは仕事に行かなくてもいいシフトでしたが、たまたま職場に出て、僕たちと会ったと。不思議な出会いに涙ぐんでおられました」(加藤)
 加藤の家族が到着するのも、心待ちにしてくれているという。
 ノースオタゴの初戦は8月17日。ホームでホロエヌアを迎え撃つ。
「まずはプレシーズンで信頼を勝ち得て、試合に出たい。“ホームではどんなことがあっても負けちゃだめだ”と言われていて、ホーム愛をすごく感じます。その中で勝利に貢献したい」(加藤)
「代表になって、周囲のレベルがワンランク上がったと感じます。まずはその中でポジションを勝ち取って、勝利に貢献して、最終的にプレーオフに進出したい」(松山)
 挑戦のランクを一つ上げ、8月17日の開幕戦のメンバー入りに挑む。

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