NZ留学レポート オアマル編

NZ留学レポート

オアマル編


PR清水岳とSH谷中樹平は、5月末からNZノースオタゴの街オマルにあるバリースポーツクラブでプレーしている。5月末に現地に入り、現在は「なんの不自由もない生活」(清水)を送っているが、到着直後に洗礼を受けた。5月24日、現地に着いた翌日に、いきなり2人とも試合に出ることに。まだチームメートの顔も名前も分からない状況、さらに対戦相手はライバルである2位チーム。「絶対に負けられない雰囲気でした。なかなか厳しい場面で投入されて、ラスト5分で4回くらいスクラムがありました」(清水)

 それでも何とか無事乗り切って、勝利に貢献。以降、ともに毎週フル出場を続けている。清水は1番、谷中はSHとWTBで出場、練習でも複数のポジションをこなしている。

2人がチームに合流して一番驚いたのは「めちゃくちゃフィットネスが高い」ことだった。

「他のチームはアイランダーが多いのですが、バリーは少ない。堅実なプレーヤーが多くて、めちゃくちゃ皆フィットネスがある。ビックリしました」(清水)

「日本では僕もフィットネスに自信があったんですが、こっちにきたら、マジでみんな僕より速い。グラウンドが粘土質で、スパイクの裏に泥がこびりついて走り慣れないこともありますが、全員メッチャ走る。練習でも“今週、試合だよな?”と思うくらい走ってます」


バリーには昨年、HO加藤竜聖とCTB松山千大が所属。彼らもしごかれた「鬼軍曹」だった。

 現在は昨年の2人が生活していた家に住んでいる。掃除は分担制、食事はそれぞれが食べたい物を作る。日本にいる頃から料理をしてきた清水の十八番は無水カレー。水を使わずトマトやズッキーニ、リンゴを入れて煮込む。米は現地調達のオーストラリア米。昨年、加藤が購入して置いていった炊飯器が重宝している。

「作るのが楽で、飽きるまで食べてます」

 NZで本格的に料理をするようになった谷中が、これまで作った中で会心の出来はハンバーグ。

「ひき肉が安くて1㌔も買ったので大量に作って、岳さんにも食べてもらいました。まだストックしてるので、今度はそぼろ丼を作ってみようかと。こっちにいるうちに料理のレパートリーを増やしたいと思ってます」。持参したポン酢や出汁の素などを使い、食べ慣れた日本の味にアレンジしている。

 セブンズ日本代表で世界を飛び回った谷中が一つの国にゆっくりと腰を落ち着けるのは、パリ五輪のフランス以来だ。

「一つの国に長くいる楽しさは絶対にあるので、これからが楽しくなってくると思います」


オマルには日本人コミュニティもあり、毎年留学する選手たちがお世話になっている。今年も、2人の到着後すぐに試合を見に来てくれるなど、交流が続いている。

 現在はクラブチームの決勝トーナメントの最中。バリーは初戦、残念ながら敗れたが、7月に入ると州代表の練習も本格的に始まる。バリーはフロントローの選手層が薄く、練習でなかなか対人でスクラムが組めない。清水にとっては州代表の練習が貴重な機会となりそうだ。

「FWとして外国人選手の中でやっていくにはフィジカルが必要。この地域はアイランダーが多いので、よりフィジカルで勝っていけるようにならないと。しっかりサポートしてもらっている分、成長して日本に戻りたい。後は英語力。僕らに対しては分かりやすく話してくれるけど、外国人同士の会話はまだ分からないので、そこも成長したい」(清水)

「チームからはWTBとしてトライを取ることを求められていますが、出発前にスティーブ(ハンセンHC/DOR)やフォジー(イアン・フォスター共同コーチ)からSHとしてのアドバイスをもらったので、そこはより意識したい。岳さん同様、僕も英語力を上げて、戻ったらこれまで以上に外国人選手とコミュニケーションをとれるようになりたい」

 クラブは仲が良く、チームメートと飲む機会も多い。語学アップには絶好の機会だ。

これからNZにはフランス代表が遠征し、オールブラックスとテストマッチを3試合戦う。第2、3戦は滑川剛人レフリーがアシスタントレフリーを務めるため、2人とも現地に行きたいものの、クラブの試合もあり、流動的だ。

冬のNZでオンもオフも、どっぷりとラグビーの日々。次の日本の冬には、その成果を披露したい。

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