ジャパン、連勝。
PR木津は3年ぶり代表復帰。
6月25日、日本代表は「リポビタンDチャレンジカップ2022」で前週に続いてウルグアイ代表と対戦。終盤に1トライを許したものの、43-7で下し、連勝した。
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日本各地が猛暑日を記録した中、ミクニワールドスタジアムのある北九州市は例外だった。午前中に激しい雷雨に見舞われ、蒸し暑さを消し去った。キックオフ時の気温は23度と、海風が肌寒さを感じさせる中でのキックオフとなった。
実質的な日本代表の初戦。トヨタヴェルブリッツからはPR木津悠輔が先発、リザーブにFL古川聖人が入っていたが、試合直前にPR森川由起乙(東京SG)が負傷、PR三浦昌悟が急きょリザーブ入り。3人とも試合に出場し、キャップを獲得した。
前週の第1テストで先発した淺岡俊亮から3番を引き継いだ木津は、2019年のワールドカップ以来の桜のジャージーとなった。昨年元旦、トップリーグ開幕前の練習試合で足を負傷。「しっかり治さないと今後のラグビーキャリアに響く」と、シーズン全休。昨年の日本代表スコッドからは外れていた。
万全のコンディションで迎えたリーグワンでは、初戦・東京サンゴリアス戦で先発に名を連ねると、8試合に出場。スクラムと力強いボールキャリーで5月に発表された日本代表スコッドに復帰していた。
この日テーマは、キックオフからの20分。「いいスタートが切れた」(ジェイミー・ジョセフHC)。
齋藤直人(東京SG)-山沢拓也(埼玉)と初のHB団コンビで臨んだジャパンは、キックオフからアタックを継続し続けた。2分には主将HO坂手淳史がラインアウトモールから先制のトライ。山沢が3連続でPGを決め、前半23分で14-0とリードする。
開始から攻め続けた展開で、ファーストスクラムは前半18分と遅かった。さらにキック主体のアタックの継続で、前半のスクラムは4回、マイボールはゼロと、珍しい流れとなった。
試合後のオンライン会見に出席したPR稲垣啓太(埼玉)は「マイボールスクラムは、プレッシャーをかけてペナルティをとるつもりでやっていた。それがないのは、味方がアタックし続けているということ。スクラムは80分通して、相手の脅威になったと思う」と振り返った。
稲垣との入れ替えで準備していた三浦は29分に稲垣が危険なタックルで10分間の退場となり、41分からの交代出場となった。
「久しぶりの試合で、いいスタートを切れた」と評価したジョセフHCだが、終盤は反則が続き、自陣で戦う時間も多かった。
「この反則の多さでは、ティア1には厳しい」(ジョセフHC)と、フランス戦に向けての課題も見つかった。
11664人の観衆が沸いたのは試合後半。17分、FLベン・ガンターに代わって古川聖人がピッチに入り、選手交代のアナウンスが流れると、大きな拍手が起こった。
前日、「身体の小さい選手でもやれることを証明したい」と語っていた古川。26分には自陣ゴールを背にした場面で相手の足首を刈る低いタックル。ピンチを防いだ。8分後には鞘ケ谷RSの後輩・中野将伍(東京SG)も交代出場。再び大きな拍手が起きた。
試合後、両チームの選手たちは場内を一周しスタンドに挨拶。二人は最後尾で並んで歩くと、最後までグラウンドに残り、スタンドに手を振り続けた。
次週、7月2日は豊田スタジアムで、シックスネーションズ優勝、現在世界ランク2位のフランスを迎え撃つ。2019年のW杯以来となる豊田での日本代表戦。ヴェルブリッツから何人がメンバー入りするか注目だ。
文/森本優子
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