【コラム】第12節 歯車がかみ合う瞬間を。

第12節 花園L戦前
 
歯車がかみ合う瞬間を。
  
 最後のバイウイークが終わり、5月第1週の最終節まで5連戦が始まるリーグワン。トヨタヴェルブリッツは4月6日、岐阜で花園近鉄ライナーズ(花園L)と対戦する。4日に先発メンバーが発表されたが、SOボーデン・バレットがコンディション不良によりティアーン・ファルコンが10番で先発する。ファルコンは前回の花園Lとの対戦時(第5節)も、バレットの体調不良で、急きょ先発に。「アーロン、ボーデンら年配者から学んだことを活かしたい」と意気込んだ。また14番でジョネ・ナベテレヴが今季初のスターターに。FL小池隆成は第6節のBL東京戦以来、久々に先発に名を連ねた。この春で加入2年目を迎えたLO山川一瑳は、第3節の三菱DB以来のリザーブ入り。出場すれば、デビュー戦となる。
 第11節を終えチームは5勝6敗の8位と負けが先行。今季、まだ連勝はない。試合2日前の会見に出席したNO8姫野和樹キャプテンが、胸の内を明かした。
 バイウイーク前は東京SGに終了直前に逆転負けし、翌週は静岡BRに雨中で完敗。「かなりダメージはくらった。勝ち切れる試合で勝てない状況が続いている」。トップ4入りへは5戦全勝が最低条件だが「現状、かなり厳しい立ち位置にいる」と現実をみつめる。
「未来に対して囚われることなく、まずは一戦一戦、自分が成長したいポイントを掲げてはいる。ペナルティをしないとか、小さい目標を積み重ねながら進んでいく」
 勝ちきれない原因はペナルティの多さにある。第11節時点で、反則数はワースト3位だ。姫野キャプテン自身、会見で「直すには時間がかかる」と認める、積年の課題でもある。
「疲労でロールアウエーできないこともあるし、レフリーの声を聞かずにプレーしてしまうこともある。意識レベルの低さが現状ある。クリーンな意識を、もっとつけないと」
 キャプテンとして口で言うだけでなく、直近2試合で自身が犯したペナルティに関しても、個人練習で対策を反復。今週はFLウィリアム・トゥポウに教えを請い、タックルや彼のアイデンティティを学ぶなど行動で実践している。
 今季の課題はもう一つ、80分間パフォーマンスが一定しないことにある。
「後半に集中力が切れることがあり、チームとしてのアプローチが必要」
 今季、ニュージーランド代表HB団が加わって思うような成績が出せていない現状にキャプテン自身、葛藤の只中にいる。
「チームが力を出すためには、色々な役割がある。一人ひとりがその役割をやって、自分たちがどういうラグビーをするのか、同じ絵を見るのが重要。そういうところがまだ見えてないのかなと。気合は入ってるし、スタッフも含めて頑張ってない奴は誰もいない。でも、どれだけいい選手がいたとしても、全部の役割が合わさっていかないとチームとして力は出ない。その歯車をかみ合わせることが必要になってくる」
 前節の敗戦後、チームとして食事を共にし、絆を深めた。
「レビューはしっかりしました。辛い時こそ楽しむことを忘れちゃいけない。そういう時間は大事。そこはそこでしっかり楽しんで、コネクションを再確認した」
 歯車がカッチリとかみ合う瞬間を誰もが欲している。残り5試合。少しでも早くつかみ取りたい。
 
「過去は変えられない。未来を変えるのは、今の行動」とNO8姫野和樹キャプテン
 
 
 

前回の花園L戦でも先発したティアーン・ファルコン
 

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