【マッチレポート】vs 東芝ブレイブルーパス東京

BL東京戦マッチレポート。
終盤の猛攻及ばず。
BL東京に1点差の惜敗
 リーグワン第12節は3月18日、パロマ瑞穂ラグビー場で開催され、トヨタヴェルブリッツは東芝ブレイブルーパス東京(BL東京)と対戦。試合は相手が先行し、トヨタが追う展開。終盤に追い上げたものの18-19で敗れ、3連勝はならなかった。通算成績は5勝7敗。

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 歓喜からため息へ。静まり返ったスタンドを背にFBティアーン・ファルコンの蹴ったコンバージョンは、非情にもバーを逸れ、逆転勝ちはならなかった。
 前節で交流戦を終え、カンファレンスAとの対戦が再開。最初に対戦するBL東京は、1月22日の第5節で25-63と大敗した相手だ。
 東京SG、花園Lと連勝して調子を取り戻したトヨタだが、前半は相手FWの圧力に手こずった。接点で受け、オフロードを多用した攻撃にディフェンスの時間が多くなる。前14分、ゴール前スクラムから⑧-⑨で先制を許す。27分にもラインアウトモールを起点にCTBニコラス・マクカランに繋がれてトライ。0-12とリードを広げられた。
 スクラムでは優位に立てていた。ペナルティを勝ち取り、ガッツポーズをする場面もあった。しかし、ラインアウトが安定しなかった。
「分析されて、サインも読まれていた」(FL姫野和樹共同キャプテン)
 前半だけで、ラインアウトのミスは5回(相手は1回)。得点源だったゴール前のラインアウトモールも封じられた。
 それでも少ない機会を活かした。31分、SOウィリー・ルルーが蹴ったキックのバウンドにWTB髙橋汰地が素早く反応。相手に競り勝って、抜け出す。ゴール前で捕まるがフォローしていたFLピーターステフ・デュトイがトライ。5-12で折り返した。
前半のキャリーメーターはトヨタ91に対し、BL東京が337。ポゼッションは相手が66%。大半の時間を自陣で戦い、防御に費やしたが、それでも7点差で折り返せたのは、防御が機能していたからだ。
 風上となった後半は、トヨタが少しずつエリアを盛り返す。8-19とリードを広げられたが、ラインアウトも修正され、アタックでフェイズを重ねれば着実にゲインできるように。25分には自陣10㍍付近のラインアウトから粘り強くボールを繋ぎ、最後はCTB岡田優輝から大外でパスを受けたFLデュトイが、この日2本目のトライを決めた。コンバージョンは外れたが、これで6点差。
30分過ぎからは反撃の時間帯となる。後半38分、相手のノータッチキックをとって自陣からカウンター。さらに残り時間1分を切り、ゴール前ラインアウトから猛攻をかけるが、相手選手がフィールド上で倒れ、危険防止のためにいったん中断。ゴール前マイボールスクラムからの再開に。SH福田健太がLOアイザイア・マプスア、FLデュトイ、FL姫野と縦に強い選手に素早くボールを捌く。最後はファルコンから飛ばしパスを受けた途中出場のWTB山口修平が左中間に回り込んだ。
これで18-19の1点差、コンバージョンが入れば逆転勝ちだったが、ファルコンの蹴ったボールは外れ、試合終了となった。
 終盤に主導権を取り戻せたのは、チームとして粘り強く戦えていたから。修正点は明確だ。
「ラインアウトは相手が一枚上手だった。素直に認めて改善すべき」
 試合後の会見で、姫野共同キャプテンは潔かった。
 BL東京のFL德永祥尭共同キャプテンは会見で開口一番「すごく楽しい試合でした。トヨタと試合すると、自分たちの強みと相手の強みがぶつかり合って、いい試合ができる」。前回の対戦からトヨタが変わったところを「フィジカルバトルに自信を取り戻していた」と指摘した。
その発言に呼応するように姫野共同キャプテンも、「仲いい選手がいっぱいいるので、やってて楽しかった。負けちゃったので、来年やり返す」
トップリーグ時代から、フィジカルにこだわった勝負を繰り広げてきた両チーム。負けはしたが、誇りを取り戻すことはできた。
次節は3月25日、首位を走る埼玉パナソニックワイルドナイツを豊田スタジアムに迎え撃つ。
「この敗戦でがっかりするとは思うけど、下を向かずに一貫性を持った準備が大事。リーダーとして15人、23人、チーム全員が同じ絵を見るようにしていく」(姫野共同キャプテン)
 最後にトライを決めたWTB山口は振り返る。
「負けてしまったので下向いてたんですけど、ハドル(円陣)で姫野キャプテンが“ティアーンは坊主だな”と言ったら、みんなから笑いが起きた。いいキャプテンだと思いました」
 リーダーの挫けない心が、仲間に再び上を向かせた。これからも進むべき道は変わらない。


①前半、トライを防ぐビッグプレーも見せた初先発のLOジョー・ローンチブリー
②スクラムではしばしばペナルティを奪った
③後半44分、WTB山口修平がトライを奪い1点差に
④BL東京NO8リーチ マイケルを止めるPR崔凌也とFLピーターステフ・デュトイ

⑤試合後の円陣。リーダーの笑顔に周りも表情がほぐれる

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