岡田優輝[CTB]
「チームは一つになって来ている」
FWの芯が吉田杏なら、BKを支える中堅どころが岡田優輝だ。吉田と同期、ともに大阪桐蔭から帝京大に進み、大学選手権優勝。トヨタに入社後は、1年上の先輩・姫野和樹に続き、2018年度のトップリーグ新人王にも輝いている。
本職はCTBだが、昨季はWTBで出ることが多かった。12試合中、10試合に先発したが、うち8試合がWTB。オカちゃんこと岡田の一番の強みは「危機管理能力」。
相手に抜かれたら、このボールを奪われたら、というギリギリの場面で身体を張ってピンチを未然に防ぐ。パスやコンタクトといった基礎スキルはもちろん、その貢献度が常にメンバーに名を連ねる理由でもある。本人に、ポジションへのこだわりは、それほどない。
「ここ、というポジションを持っているのも大事ですけど、僕はどこでもできることを強みにしたい。ポジティブにとらえています。臨機応変にできれば、それだけ試合に出られるチャンスも増える」
今季は、「本職」である13番での出番が多くなりそうだ。新たに就任したベン・へリングHCは2017年度にサンウルブズでディフェンスコーチを務めた指導者。今季は、ディフェンスで速く前に出てプレッシャーをかけるシステムを採用した。馬場美喜男アシスタントコーチは言う。
「昔、難波(英樹)さん、赤沼(源太)さんのCTBが一気に前に詰めて相手を仕留めたトヨタらしいディフェンスが戻ってきました」
そのシステムは「岡田の良さをより活かせると思います」(馬場コーチ)。本人もそれを自覚する。
「今のディフェンスは一人に対してプレッシャーをかける、ボールを回させないシステム。チームに浸透しているし、自分も体現できています」
リーグワンを見渡すと、CTBは、フィジカルに長けた外国人選手が多いポジションでもある。
「そういった選手たちとやれるのは、逆に楽しみです」と腕を撫す。
6年目の今季は新HCの下、順調に準備ができたと感じる。
「雰囲気は良くなっていると思います。今年はやることがシンプルで明確。それがトヨタにうまくはまって、その空気が伝染しあって一つになってきている」
シーズンに向けた最終仕上げとなった神戸Sとのプレシーズンマッチも、7-31の前半から33-31の逆転勝ち。
「後半に切り替えられたのはよかったんですが、ああいう前半をしてしまうと、開幕戦もきつくなる」と気を引き締める。
「去年は歯がゆいシーズンでした。コロナもあって試合も中止が多かったし、特に豊田スタジアムで試合ができなかった。今年はチームとしても僕としてもすごく楽しみです」
もうすぐ、個人もチームも、充実の開幕を迎える。
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