トヨタヴェルブリッツは5月4日にNTTジャパンラグビー リーグワン第17節で三重ホンダヒート(三重H)と対戦するメンバーを発表した。前節メンバーから外れたSHアーロン・スミスが9番で先発し、今季初のFW6人、BK2人のリザーブ編成で臨む。
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10位ヴェルブリッツ対11位三重Hの一戦。入替戦回避がかかる試合は、激しいFW戦になりそうだ。
「戦い方を考慮した結果、5-3よりも6-2の方がチームに柔軟性をもたらすと判断しました」とスティーブ・ハンセンHC/D.O.R。
FWのリザーブに今季初めて名を連ねたのは30歳のPR崔凌也、36歳のHO有田隆平のベテラン勢。
「二人ともミライマッチで非常に良いパフォーマンスを続け、経験もあり、今がチャンスだと考えました。ここ数週間チームに足りていなかった部分を補ってくれると期待しています」(ハンセン氏)
終盤、セットプレーでの勢いを鈍らせないこと。大事な試合のフィニッシュはベテランに託された。
「グランド・ファイナル(決勝戦)のつもりで臨みます」とは会見に出席したFB髙橋汰地。週の初め、イアン・フォスター共同コーチから出た言葉だ。
「今まで、そう考えてプレーしたことはなかったんですけど、大学4年の大学選手権決勝の気持ちとか思い出しました。ワクワクしたし、絶対に優勝してやろうという気持ちを持っていた。今週は、そういう気持ちを思い出しながら試合したい」
髙橋は明大4年時、2018年度の第55回大学選手権決勝で天理大を22-17で下し、22年ぶりの優勝を飾っている。その試合、鮮やかなサインプレーで逆転トライを奪ったのも髙橋だった。
このところ4試合連続でFBを任されているが、「ディフェンスで裏のスペースをケアする。画面に映らないところで走らないといけない。そこは自分としても強み。しっかりジョイ(マヌ)とタイ(ツイドラキ)をリードしながら、声を出してチームを引っ張っていきたい」。
バックスリーをリードする立場となった髙橋だが、本来のトライをとりきるプレーでも貢献したい。
7番で先発する三木晧正は「プレッシャーと責任、いろんなものが自分の中に重圧としてかかってきて。でもそれに打ち勝ってこそなので、プレッシャーを楽しんで、自分の持っている全てを出したい」。三木がフォスター共同コーチから常々言われているのは「7番は暗殺者のように笑っておけ」ということ。「楽しむ気持ちを持ちつつ、常に笑って不気味な存在でいることが相手の脅威にもなる」(三木)
どんな時もふてぶてしい笑みを絶やさない7番。大先輩のマイケル・フーパーもそうだ。三木は開幕節で先発し、2月に負傷。復帰戦となった4月の埼玉WK戦では、危険なプレーでレッドカードに。WRのコーチング介入で2試合の出場停止から1試合に減免となり、前節から復帰。昨年4月に加入、1シーズン目のリーグワンで激動のシーズンを送る。
「チームが劣勢になる事態を二度と起こさないために、オーバーのところを繰り返し練習してます。いかに激しさを持ちつつリーガルにプレーするか」
自分は身体が大きくないので、と言う三木だが、ハンセンHCは「三木は実はフーパーより身体が大きいんです。見た目ではわかりづらいですが、何よりも“心の大きさ“が重要。プレーの精度が高く、試合の流れを読む力にも長けている」と高く評価する。
双方ともにプレッシャーのかかる試合となるが、ハンセン氏は「このプレッシャーを恐れず、むしろ楽しむことが大切。両チームともそれをエネルギーに変えていくことが重要です。その緊張感が生むアドレナリンを良い形でコントロールし、ラグビーにつなげていく必要があります」
リーグ戦は残り2試合となるが、指揮官は目の前の試合に集中しつつ、チームの課題も長期的な視点で見据えている。
「残り2試合の結果に関わらず、プレシーズンではフィジカル面をしっかり見直す必要があります。戦術は合っているか、ゲームの理解度は十分か、メンタルの強さはどうか…。これらすべてが強いチームを作るうえで欠かせない要素。まだまだ成長の途中ですが、シーズンがどう終わろうとも、それらに取り組んでいく姿勢は変わりません」
まずは日曜の試合で「相手よりたくさん点を取ること」
グランド・ファイナルのつもりで、
楽しみながら力を出し切りたい。
「勝ったほうが優勝と思って臨めばエンジョイできる」と高橋汰地
「7番で出る以上はタックルをいつも以上にやるだけ」と三木晧正
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