第16節東京SG戦マッチレポート 「次は信念を持って戦う。プレッシャーを楽しむ」(スティーブ・ハンセンHC/D.O.R)

第16節東京SG戦マッチレポート

「次は信念を持って戦う。プレッシャーを楽しむ」(スティーブ・ハンセンHC/D.O.R)

 トヨタヴェルブリッツは4月27日、NTTジャパンラグビー リーグワン第16節で大阪花園ラグビー場で東京サントリーサンゴリアス(東京SG)と対戦。前半を14-19と僅差で折り返したが、後半10分過ぎに3連続トライを奪われ、28-45で敗れた。通算成績は3勝1敗12敗の10位となり、6位以内の可能性が消えた。

       ●

 ゴールデンウイーク2日目、最高気温25度と初夏の陽気の下、前半はお互いにアタックを仕掛け合い、ボールが動くスリリングなゲームとなった。

 東京SGが先にスコアし、ヴェルブリッツが追い付く展開。デビュー戦となったSH田村魁世も密集周辺でプレッシャーを受けながらも確実にボールを捌き、リズムを作る。33分には自陣ゴール前のピンチで相手ボールに絡み、流れを断ち切るフィジカルの強さも見せた。だが、強い日差しの中でボールを動かし合ったことで、徐々にチームの体力は削られていった。

「前半はモメンタムがいったりきたり。それが後半のボディブローに繋がった」(東京SG・小野晃征HC)

 勝負の綾もあった。後半3分、WTBジョセフ・マヌのトライはTMOでその前に反則が確認され、キャンセルに。その後、ヴェルブリッツに反則が重なる。キックで自陣に戻されFWで圧をかけられ、さらに出足が重くなる。10分、14分、16分と相手FWに3連続トライを奪われ、14-38と引き離された。互角に渡り合いながら、短い間に失点を重ねるのは今季の課題でもある。

 後半26分には10週間ぶりに復帰したFLウィリアム・トゥポウが再び腕を負傷し、ピッチの外へ。既に交代選手全員を使い切っており、「姫野は前の試合でフル出場している。三木をはじめとしてルースFWの体調を管理する必要がある」(ハンセン氏)と、一人少ない状態で戦うことに。

 残り時間、ピッチの14人は意地を見せた。自陣トライラインを背に耐え抜くと37分、自陣深くのスクラムにWTBヴィリアメ・ツイドラキがFLに入って対応。そこからFKを得るとFLブレア・ライアルが抜け出して、ツイドラキがフォロー。相手ゴール前ラインアウトから再度ライアル―ツイドラキと渡り、トライラインに身を躍らせた。それは最後までグラウンドを守った14人のプライドだった。この後、東京SGに1トライを許して、最終スコアは28-45。

「ハーフタイム後の15分、攻守ともに精度が落ちた。モールのドライブ阻止など、それぞれの与えられた役割を高い精度で遂行できなかった」(スティーブ・ハンセンHC/D.O.R)

「自分たちのエネルギーがありあまってペナルティを犯してしまう。落ち着いてプレー出来ればよかった」(NO8姫野和樹キャプテン)

 勝利をつかめそうな時間帯はあっても、反則でチャンスを手放すのはシーズン通しての課題。SH田村のフレッシュな活躍は収穫だった。

「田村はチャンスをつかんだだけでなく、いいプレーも見せてくれた」(ハンセン氏)

 本人は「リーグワンレベルのインテンシティや、フェイズが重なってしんどい時にFWをオーガナイズするところはまだまだ。課題がみつかった」と次に目を向けた。

次節は5月4日、三重ホンダヒート(三重H)との再戦。第2節では17-21で敗れている。現在、ヴェルブリッツは勝点20の10位、三重Hは勝点18の11位。最終節を残すものの、敗れたチームが入替戦出場が濃厚となる。

「一番大事なのは信念。(入替戦に出るかどうかは)我々次第。信念を持って80分プレーすること。プレッシャーを楽しむこと」(ハンセン氏)

 ラスト15分で14人が見せた意地は、その信念の表れ。次の試合に繋がるものだった。

 大阪で初となったヴェルブリッツのホストゲーム、観客数は10569人。愛知から足を運んだ大勢のVOLTsは早くからラグビー場周辺に集い、スタンドから声援を送った。次節は三重Hのビジターゲームとなる。次の日曜は今季最大の熱量で、大一番に臨むチームを支えたい。(文・森本優子)

後半38分、トライを奪ったWTBヴィリアメ・ツイドラキ

「試合は楽しめたけど、結果は負けたので悔しい」とSH田村魁世

第13節の横浜E戦でデビューしたFLブレア・ライアル。194㌢110㌔の23歳。成長株だ

VERBLITZ BLOG

試合に向けての意気込みだけでなく、身近なプライベートのことなど、選手目線の記事を掲載します。ヴェルブリッツのディープな情報チェック。

0コメント

  • 1000 / 1000