4月27日に大阪・東大阪市花園ラグビー場で東京サントリーサンゴリアス(東京SG)と対戦するメンバーが発表された。加入3年目のSH田村魁世が先発でヴェルブリッツデビューを飾り、FLウィリアム・トゥポウは第5節以来の先発、リザーブのPR清水岳は第1節以来の復帰となる。
バイウイークを経てチームはリフレッシュ、東京SGと対戦する23人にもレジリエンス(困難から回復する力)を備えた選手3人が新たに名を連ねた。
田村は高校日本代表、ジュニア・ジャパンなどの実績があり2022年度に同志社大から加入。2023年度はNZサウスランドに留学、現地でも実力を認められていたが、今回が初のメンバー入りだ。
会見に出席したイアン・フォスターCo.HCは「彼はこの3~4か月で大きく成長しました。スピードがありパスも上手いので、ベンチスタートではなく先発が最適」と起用の理由を説明した。アーロン・スミスは疲れが溜まっており、今週はリフレッシュして残りの試合に集中させるという。
リーグワンで初めて9番を背負う田村は「いつチャンスが巡ってきてもいいように、ずっと準備はしてきました」。今季は肉体改造にも取り組み、体重3㌔増。筋肉の鎧をまとった。学生時代から自己管理を続け、ヴェルブリッツでさらに栄養士と話したり、生活リズムを見直すなど努力を重ねた。
「スピードに対応できるよう、フィジカルが落ちないように肉体改造をやってきた。筋力がついたことでコンタクトにも自信がつきました」
NZ留学から帰国後、壁にぶつかり、しばらく練習から遠ざかった時期もあった。もうラグビーを辞めようと考えたこともあったという。
「その時も、高校の仲間やトヨタのメンバーがメッセージをくれた。戻ってからは目の前のことを全力でやり続けようと。その結果がウエイトやフィットネスの向上につながった。休んでいた時に支えてもらった人たちの思いを背負って頑張りたい」
第5節の埼玉WK戦以来、10週間ぶりの先発復帰となるウィリアム・トゥポウは離脱期間中、チームを外から見守ってきた。
「今シーズン結果が出ていない要因のひとつは、ゲームプランを最初から最後までやり切れていない点にあります。いま必要なのは、80分間そのプランを信じて貫くことです」
チームは現在10位。次の試合を落とせば6位以内は消滅し、入替戦出場の可能性もあるが「まずはプレッシャーを楽しむこと」とトゥポウ。
「感情が揺れるのは、この競技ではごく自然なこと。不安を抱くのも当然ですが、そのプレッシャーに立ち向かう覚悟を持つことが、今の私たちには必要です」
修羅場をくぐりぬけた34歳のベテランの復帰は、何より精神的な支えになる。
PR清水岳は開幕戦後に負傷したが、ミライマッチでアピールを続けてメンバー復帰を果たした。
「Aチームにいいプレッシャーを与えて最高の練習になるよう準備していて、チャンスが来ました。昌悟(三浦)さんも百地もいい活躍をしてたので、しっかりコンペティションして、やっと戻ってこられた」
こちらも田村同様、こつこつと努力を積んでの復帰。まずはセットプレー、接点で前に出ることが使命だ。
チームとしては前の2試合でイエローカードを出しており、ディシプリンが喫緊の課題でもある。
フォスター氏は「イエローカードは、タックルに入る際の精度の低さから生じたもの。この部分については、テクニック面の修正に力を入れて取り組んでいます」
東京SGとの前回の対戦は1月4日、30-30の引き分けだった。不屈の闘志でチャンスをつかんだメンバーの熱を推進力にしたい。
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