雨中の敗戦。ディシプリンに課題
トヨタヴェルブリッツは4月13日、NTTジャパンラグビー リーグワン第15節でリコーブラックラムズ東京(BR東京)と千葉県市原市・ゼットエーオリプリスタジアムで対戦。7-37で敗れ、通算成績は3勝1分け11敗となった。
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小やみだった雨は、試合が始まってほどなく再び降り始めた。立ち上がりの遅さとディシプリン。現在チームが抱える二つの課題が早々に続いたことで、試合は一方的な展開となった。
BR東京のキックオフ。相手のアタックを切り返して自陣を脱出しようとした矢先、SO小村真也のキックを相手10番がチャージ、8分に先制トライを奪われた。
「チャージされることはよくあるので、動揺はなかった」(小村)
その後、得点機を得たのはヴェルブリッツだった。11分、相手ゴール前でのラインラインアウト。モールで圧をかけてHO彦坂圭克が飛び込んだが、相手のSH TJペレナラが咄嗟に下に身体を差しいれ、グラウンディングならず。15分にも同様の位置でラインアウトのチャンスを得たが、キャッチできず相手に切り返され、再び自陣に戻された。この得点機を逃したことが響いたか。
再度ディフェンスの時間帯となり、23分にLOジョシュ・ディクソンが、27分にはSO小村がタックルに入った際、ハイタックルでイエローカードに。ピッチの中は13人となった。2人少ない時間帯、トライラインは死守したものの、反撃に転じる余裕はなく、地域的に不利なまま前半を終えた。テリトリーはヴェルブリッツが27、相手が73。タックル数は相手の41にヴェルブリッツが106。何とか耐えしのいだ40分だった。
0-16で折り返して迎えた後半、アタックの主導権を握っていたのは相手側だった。10分、ゴール前でFWにフェイズを重ねられトライを許す。これで0-23。ブレイクダウンで劣勢、スクラムでも反則をとられ、ラインアウトもミスが続くなど、FWが力で上回れなかった。
終盤、攻撃に転じたが、パスを回しても落球し繋がらない。終了2分前にFLアドレ・スミスがトライを返し、完封負けは免れたものの、7-37。第4節で32-18で白星を挙げた相手に完敗した。
スティーブ・ハンセンHC/D.O.Rは「いい準備も出来、自信もあったが結果が伴わなかった。スクラムでの劣勢とのイエローカードが響いた」とコメント。「相手と同じラインブレイク回数で、結果として19回のターンオーバー。ボールを大切に出来なかった」とミスの多さも指摘した。
第4節以来、92日ぶりに試合に復帰したNO8姫野和樹キャプテンは、「13人でもひたすら頑張った。キャプテンとして誇りに思います。だからこそ結果が出なくて悔しい」
2日前の会見でハンセン氏は、「姫野が久しぶりの実戦で、いつ奥井を投入するかの判断をしなければ」と語っていたが、奥井は後半18分にFL青木恵斗と交代。
「あの状況では、それが最善の判断でした」とハンセン氏。負傷明けの姫野がフル出場せざるを得なかった苦しい内容だった。
小村も「(FWが劣勢のとき)良くない判断をしてしまった。そこでもっと勢いをつけられるプレーができたら」。
悪天候、FWが劣勢で、どうチームをコントロールするか。22歳の司令塔もリーグワンの洗礼を浴びた。
チームとしての喫緊の課題はディシプリン。「2試合連続でイエローカードをもらっている。何らかの対策が必要」とハンセン氏。
これでリーグワンは15試合が終了。バイウイークを過ごした後、4月27日から残り3試合を戦う。直近3試合は大分、埼玉、千葉と3週連続ビジターのハードな戦いだった。残り試合は大阪花園、三重、豊田での最終戦と、幸い移動は少ない。今週はリフレッシュしてコンディションを整えて、残り3試合、全力で戦い切りたい (文・森本優子)
1月11日以来の復帰で、80分間フル出場したNO8姫野和樹キャプテン
終盤、PR百地龍之介も気魄溢れる突進を見せた
古巣相手に後半、交代出場したマット・マッガーン
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