NTTジャパンラグビー リーグワン第4節は1月11日、岐阜・長良川競技場でブラックラムズ東京(BR東京)との間で行われ、トヨタヴェルブリッツは後半に5トライを奪って32-18で勝利、今季初白星を挙げた。
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待ちに待った1勝は、苦しんだ末に全員でつかみとった。
長良川競技場で開催された今年初のホスト試合。開始から、BR東京に対してFWで差し込まれ、11分で10点を先制される立ち上がり。
「ラグビーはモメンタムのとりあい。相手が先に流れをつかんだということ」(スティーブ・ハンセンHC)
その後も、ほぼ自陣での戦いを余儀なくされたが、動揺はなかった。
「クロスゲームになるのは分かっていたので、そういうときのマインドセットをシミュレーションして準備していた」とHO彦坂圭克。
その後は互いに無得点での折り返し。後半、ヴェルブリッツは様々なキックを織り交ぜてボールを動かしだし、徐々に流れをつかみはじめる。
4分、ラインアウトモールから展開してWTB髙橋汰地が右隅にトライ。12分には3分近い相手の攻撃を止めきると、そのまま攻めに転じ、最後はCTBニコラス・マクカランが飛び込んだ。5分近く続いた一連のプレー、仕留めはSHアーロン・スミスが巧みなステップで相手を抜き、CTBジョセフ・マヌがリーグラグビー仕込みのオフロードパス。世界トップの選手のスキルが凝縮された質の高いトライだった。16分にはPR須藤元樹のパスを受けたWTB和田悠一郎がトライ。直後に相手にトライを返され、15-18と再びリードを許すも、31分にはWTB髙橋が2個目のトライ。22-18と再逆転した。終了間際にはFLウィリアム・トゥポウがトライを追加しボーナスポイントを獲得。32-18で試合を終えた。
プレーヤー・オブ・ザ・マッチはこの日が50試合出場、2トライを挙げたWTB髙橋汰地。チームのトライゲッターだがこの日、輝きを放ったのは、得点には表れない部分だった。
12分のマクカランのトライ前、ひたすら相手の攻撃を止め続けている最中、何度もブレイクダウンに身体を差し込む姿があった。
後半26分、15-18とBR東京にリードされている場面。中央付近で相手モールをFWが渾身の粘りで止めて、反則を勝ち取った。笑顔を見せるFWにまじって、肩を叩いてねぎらう髙橋の姿があった。
「スクラム組んでる時、僕らは暇なので、頑張ってくれたFWをねぎらおうかなと(笑)」
自らのトライで逆転した直後も、キックをあげ追走、キャッチしたFWをタッチの外へ押し出した。
「狙いとしては、もう少し(キックを)上にあげて自分で競りに行こうと思ったけど、低くなったので、どうにかしないと、と。結果的によかった(笑)」
どちらも冗談めかすが、本音はこうだ。
「チームのために、ちょっとでもエナジーにできたらいいなと」
どんな些細なことでもチームのために労を惜しまない。待望の1勝は、髙橋を含めたチーム全員が小さな献身を積み重ねた結果だった。
「今シーズン、いいスキルといいストラクチャーを積み重ねて、ようやく実行力がついてきた」と彦坂。
「メンタルの改善は見られた」(ハンセンHC)
序盤に立ちはだかった壁は、皆で乗り越えた。これからも全員で乗りきっていく。
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