第2節マッチレポート 三重Hに黒星。「勝ちたい気持ちが強すぎる」(ハンセンHC)

NTTジャパンラグビー リーグワン第2節は12月28日、岐阜・長良川競技場で行われ、トヨタヴェルブリッツは三重ホンダヒート(三重H)に17-21で逆転負け。開幕2連敗となった。


▼チームに迫る「Spotlight on VERBLITZ」は以下より▼

 試合終了時の気温は5度。後半に強くなった氷雨が頬を打つ過酷なコンディションの中、白星がこぼれおちた。

 試合序盤、ニュージーランドから来日して試合を捌いたマーカス・フレイルレフリーの笛にアジャストできず反則が続き、三重Hに2PGで0-6と先制される。だがその後はペースを取り戻し、FWで攻勢に。相手が着実にペナルティから3点を重ねたのに対し、この日のヴェルブリッツはトライ重視。SO松田力也のキックで相手ゴール前に入ると、FWで攻略。24分にはフェイズを重ねて外へ振り、WTB髙橋汰地が今季初トライ。33分にはラインアウトモールからこの日が100キャップのHO彦坂圭克がトライ。SO松田力也のコンバージョンは外れたが、10-6と逆転して折り返した。

 後半も20分まではヴェルブリッツのペースが続く。だが相手陣ゴール前に居座るものの、三重Hの固い守りに追加点を刻めない。昨季、イタリア代表HCを務めたキアラン・クローリー氏がHCに就任した三重Hは防御を主体にチーム作り。今季は20人が加入し、戦力も大きくアップした。相手にボールを獲られるリスクのある攻撃は避け、徹底してディフェンス。反則を得ると迷わずにキックで前進し、ゴール前でラインアウトモール。アルゼンチン代表でこの日のゲームキャプテンを務めたNO8パブロ・マテーラは、「我々の防御は相手にスコアしづらいチームという印象を与えた」。ヴェルブリッツには心理的プレッシャーも重なっていたかもしれない。ようやく20分、WTB髙橋のこの日2本目のトライで17-9とリードを広げたが、その後は様相が変わる。今度はヴェルブリッツが反則を重ね、自陣での戦いを余儀なくされる。さらに反則を避けようとボールに絡めない悪循環に陥った。

 28分、ラインアウトモールからトライを許す。34分にも反則で自陣ゴール前にくぎ付けとなり、逆転トライを喫し17-21。38分にはラインアウトからチャンスを得たが、最後も相手の固い防御に阻まれ、そのまま試合終了。

 スティーブ・ハンセンHCは会見で「パフォーマンスは先週より高かったが、結果は同じ。心苦しい」と振り返り、NO8姫野和樹キャプテンは「まだチームは続くので、進んでいくしかない」と言葉少な。

「勝てる局面までいっているのに、勝てない現状がある」とハンセンHCは、原因をこう指摘する。

「選手の意識や姿勢が問題ではない。彼らは月曜から土曜まで努力している。だが勝ちたい気持ちが強すぎて、個々でどうにかしようとして、逆に悪い判断に繋がっている」

 この2試合、プラン通りの試合運びは出来ていた。だが終盤、相手にスコアされると、そのまま流れも渡してしまう。

「チームとして何かをし過ぎるというのは、何もしないのと同じ」とハンセンHC。

「これまで私自身、似たようなチームを見てきた。メンタルの課題を解決する必要があり、それを克服すれば、いいラグビーができる」

 100キャップを白星で飾れなかった彦坂も「自分たちのプレーを信じて、自分たちのスキルをちゃんと出す。消極的になると付け込まれる。どんな時も、プレシーズンにやってきたスキルは絶対にある」と、同様のコメントを口にした。

 苦しい時こそフォア・ザ・チーム。選手にとって指揮官から提示される解決策が「年末年始の宿題」だ。

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