【コラム】シオサイア・フィフィタ "1280分の男"

シオサイア・フィフィタ[CTB]
 
1280分の男。
 
 
花園Lから移籍したCTBシオサイア・フィフィタが1年目で大きな記録を作った。
リーグワン全16試合に先発。交代することなくフル出場を成し遂げたのだ。試合時間にして1280分。フィジカルレベルが上がったリーグワンにおいて、価値のある数字だ。
本人は「知ってた。若いんで(笑)。リカバリーがちゃんとできていたから」と事もなげ。
天理大学時代、サンウルブズに招集された。そこで先輩たちからリカバリーの大切さを学んだ。無事是名馬の秘訣は「温泉」。家の近所にも温泉施設があり、シーズン中は週に3回は通う。身体を温めて筋肉をほぐして疲れを軽減させる。メンタルのリフレッシュは「カバかな」。
カバと言えばフィジーの印象が強いが、トンガにも同様にある。シーズン中ときたまトンガ出身のバハ(フェツアニ ラウタイミ)が作り、ツイドラキ兄弟やウィリアム・トゥポウらと楽しむ。「フィジーのも飲むけど、僕はトンガのカバの方が好き」。味にそれぞれのお国柄が出るようだ。
CTBとして欠かせない存在になったフィフィタにとって、来シーズン、大きな楽しみができた。オーストラリアのリーグラグビーチーム、シドニー・ルースターズに所属しているジョセフ・マヌの加入だ。実はフィフィタは以前からマヌの大ファン。出場するリーグの試合はネットで観戦していた。
「すごい選手。彼がトヨタに来ると聞いて興奮しました。色々教えてもらいます」
 マヌはCTB、WTB、FBをこなすユーティリティー。夢のCTBコンビが実現する可能性は十分ある。
 現在は、日本代表合宿で負った足のケガでリハビリ中。7月には復帰できるが、夫人も近々出産を控えており、まずは家族優先だ。
「食事は手助けに来てくれているお姉さんが作ってくれてます。僕は食器を洗ったり、掃除をしたり」
 日本代表対イングランド戦は国立競技場まで足を運んで観戦した。
「まだ最初の試合なので。これから超速ラグビーが爆発するんじゃないですか」
 日本代表のエディー・ジョーンズHCからは「パスは気にしないで、天理で見せたようなフィジカルなプレーを頼むよ」と言われた。
「エディーには“一番得意です。やらせてください”と答えました(笑)。エディーの超速ラグビーはやりやすいし、日本にとても合ってると思う」
まずはリハビリを進めながら家族と過ごし、落ち着いたらジャパンに戻る。秋になれば、憧れのジョセフ・マヌとチームメートに。未来は限りなく広がる。

VERBLITZ BLOG

試合に向けての意気込みだけでなく、身近なプライベートのことなど、選手目線の記事を掲載します。ヴェルブリッツのディープな情報チェック。

0コメント

  • 1000 / 1000