連戦勝ち切るには層の厚さが必須。
ほぼフルメンバーで後半戦へ
3月の声と共に、通常開催に戻るジャパンラグビーリーグワン。3か月で7試合だった前半戦から一変、10週間で9試合を消化するハードな戦いが幕を開ける。
トヨタヴェルブリッツは第7節終了時点で4勝3敗の5位。埼玉WKとBL東京が全勝で1、2位を走り、5勝2敗の東京Sが3位。S東京ベイ、トヨタV、神戸S、横浜Eの4チームが4勝3敗で追い、S東京ベイが勝ち点差で4位につけている。トヨタVにとっては再開直後の神戸S、S東京ベイとの連戦が、トップ4入りに向け重要な試合となる。
チームは2月をリフレッシュと前半で出た課題の修正に充てた。家族の事情で開幕前に一時帰国していたスティーブ・ハンセンDORも1月中旬に再合流し、指導を再開。逆転負けした埼玉WK、BL東京戦とも後半に追加点が挙げられず、中断期間は主にアタックに時間が割かれた。さらにここに来て、選手層に厚みが加わった。
序盤を欠場していたPR木津悠輔とLO秋山大地の2人が、2月17日の三重H戦で今季初出場。木津はスクラムとコンタクト、秋山もラインアウト、ブレイクダウンで力を発揮。日本代表キャップを持つ中堅2人の復帰で、FWはさらに層が厚くなった。翌日のミライマッチでは、昨秋の英バーバリアンズ滞在中に肩を強打したSH茂野海人もカムバック。FWを前に出す勢いを生み出し、こちらも存在をアピール。9番はアーロン・スミス、福田健太、梁正秋と「SH渋滞」になりそうだ。ミライマッチではLO西村龍馬、トム・ロビンソン、FL古川聖人らも、リーグワンに向けアピール。PR須藤元樹、SOボーデン・バレットら前半戦で離脱した選手も3月には復帰予定で、主力メンバーがほぼ揃った状態で再開を迎えられそうだ。
加えて、新戦力も台頭してきた。三重H戦で2年目のWTB和田悠一郎がデビュー。髙橋汰地、ヴィリアメ・ツイドラキ、岡田優輝らのWTB争いに加わった。
今後は3月3日の神戸S戦に始まり4連戦、1週の休みを挟んで5連戦と、選手にとってもスタッフにとっても気を抜けない日々が始まる。連戦を勝ち抜くには修正力、メンタルタフネス、何より誰が出ても同じプレーができる層の厚さが必須条件。この時期にケガ人が少ないことは、大きなアドバンテージとなる。
ベン・へリングHCも「あらかじめ日程のハードさは分かっていたので、そのための準備はしてきた。激しい戦いに入る用意は整っている」と自信を見せる。
クロスボーダーマッチで試合が空いた3週間、「自分たちを見つめ直した」とFL姫野和樹キャプテン。
「(中断期間は)刀をシャープにする作業。いい感じでシャープになった。今まで積み上げてきたことが正しい方向に向かっている」。こちらも迷いはない。
新加入のSHアーロン・スミス、SOボーデン・バレットにとっても、この時期はリフレッシュと、よりチームに溶け込むための時間となった。2人の真価は、連戦の中でこそ発揮されるだろう。
花園ラグビー場でのビジターでの連戦を乗り切れば、豊田スタジアムでの東京S戦が待っている。Voltsの声援を受け、一気に加速したい。
(写真説明)
1 大舞台ほど存在感を発揮するFL姫野和樹キャプテン
2 SOボーデン・バレットもまもなく復帰
3 トライしたWTB髙橋汰地を祝福するSHアーロン・スミス。後半戦もこんな光景を目にしたい
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