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谷中樹平[FB]
まずはセブンズを極めたい。
小澤大、ヘンリー ジェイミー、彦坂匡克…。トヨタのセブンズ日本代表の系譜に新たな顔が加わった。帝京大から加入した谷中樹平だ。昨季はFBとして活躍、大学選手権決勝は脳しんとうで出られなかったが、2月にセブンズのスコッドに選ばれ、日本代表入り。ワールドセブンズシリーズ(WSS)デビューと、とんとん拍子に駆け上がった。
3~4月は、セブンズで合宿と遠征の日々。他の新人に比べるとトヨタで過ごした時間はまだ少ない。セブンズが終わった5~6月が束の間、地元でゆっくりできる時間だった。
「セブンズに選ばれて光栄であると同時に、自分の実力不足を感じます。代表は自分の目標ではあったんですが、カテゴリーに呼ばれたことで満足してる自分もいた。世界で戦って、まだまだだと再認識しました」
招集されたSDS合宿も、脳しんとうの影響で十分な練習ができないまま参加。セブンズをプレーしたのも高2以来で、いきなり世界の洗礼を受けた。
「僕自身に一番求められているのは、
スキルフルなことよりもフィジカル。
ちゃんとした身体づくりをできない状況でやっていたので、身体づくりをもう一度やりたい。フィジカルは15人制でも必要とされるので、早くわかって良かったです」
短いオフを身体づくりに充て、6月末から、再びSDSとして活動を始めた。
谷中は神戸出身。小1のとき、伊川RCでラグビーを始めた。
「親が1歳下の弟にラグビーをさせたくて、僕がついていった感じです。弟は泣き虫だったみたいで(笑)」
中学時代は西神戸RSに所属。御所実に進学する。加入して3年目のSO北村将大と同じルートだ。谷中にとって2学年先輩の北村は、憧れの存在だった。
「御所実に行ったのは、マサくん(北村)の影響です。マサくんが高1で花園に出ている姿を見て、僕も御所実に行こうと」
3年間、竹田監督の家に下宿してラグビーに打ち込んだ。卒業後は「ラグビーだけでなく、いろいろなことを楽しみたくて、強いチームにいくつもりはなかった」。帝京大進学は、恩師の強い勧めだった。「帝京大に行ったことで、マインドが変わった。今は竹田先生に感謝してます」
トヨタを選んだのも、竹田家と無縁ではない。
「最初に声をかけてもらったのと、竹田先生の息子さん(宜純さん、祐将さん)がトヨタでプレーしてて、カッコいいなあと思っていたので」
ラグビーを始めるきっかけだった1歳下の弟・廉さんも御所実に進み、今季は中京大で主将を務めている。トヨタとはグラウンドも近く、車で15分で行き来できる場所に住んでいる。
「親は“今年は応援に行きやすい”と喜んでます(笑)」
リーグワンの開幕はこの冬だが、「まずはセブンズを極めたい」
当面の目標は11月18、19日に北九州で開催される五輪アジア予選。優勝して来年のパリ五輪の出場権をつかみ取りたい。その後は、チャレンジャーシリーズ。WSSから降格しただけに、何としても1年で昇格したい。
セブンズの大先輩で、昨季限りで引退した小澤大さんも「僕が入った頃より、全然プレーできている。五輪出場を果たして、セブンズの知名度を上げてほしい」とエールを贈る。
一足先に五輪(東京)出場をかなえたセブンズの先輩・石田吉平(明大→横浜E)は同期。兵庫県中学校選抜で一緒にプレーした仲だ。
「当時から“Wキッペイ”と呼ばれてました」
互いに呼びあうときは「キッペイ」で事足りるが、セブンズの試合中は「タニ」もしくは「タニヘイ」と呼ばれている。
しばらくは「Wキッペイ」で、世界を駆け巡ることになりそうだ。
JRFU公式より
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