【Game】花園L戦マッチレポート

リーグワン第11節は3月11日、
東大阪市・花園ラグビー場で行われ、トヨタヴェルブリッツは10トライを奪い、62-24で花園近鉄ライナーズ(花園L)に勝利。前節の東京サントリーサンゴリアス戦に続く白星で、今季初の連勝。これで通算成績を5勝6敗とした。
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東日本大震災から12年のこの日、試合前には犠牲者に30秒の黙とうが捧げられた。
開始時の気温は24度。春を通り越し初夏を思わせる気候の下、グラウンドにはトライの花が咲いた。
先制したのは花園L。8分、SOジャクソン・ガーデンバショップがPGを決める。だがチームに焦りはなかった。ファーストコンタクトで優位に立ち、早いフェイズからボールを積極的に動かした。
 最初のトライは11分。ゴール前ラインアウトを起点にFWで連続して崩し、FBティアーン・ファルコンから浮かしパスを受けたCTBチャーリー・ローレンスが左中間に飛び込んだ。2本目はその5分後。自陣入ってすぐのラインアウトモールからHO彦坂圭克が抜け、NO8フェツアニ ラウタイミにパス、フォローしたローレンスが連続トライを決めた。
 21分に花園Lにトライを返されるが、28分には相手ラインアウトの乱れをLOアイザイア・マプスアが逃さずに球を繋ぐ。FWで前に出ると、SH茂野海人からロングパスを受けたWTBヴィリアメ・ツイドラキが左隅トライ。FWとBKが噛みあった一体感ある攻撃が続いた。
33分にはFL姫野和樹共同キャプテンがトライし、前半で28-10。後半も緩めることなくトライを重ね、10トライで62-24と大勝した。ボーナスポイントも獲得、得失点差もマイナス31まで縮めた。
前節、東京SGに12季ぶり勝利を挙げ歓喜に沸いた。この日は点数が開いた後も結束は緩まず、攻撃を継続させてトライを生み出した。80分間、波のない戦いが復調を裏付けていた。
「結果はハッピーだけど、課題も多かった。カウンターでキックを蹴って攻められた。もう少しオーガナイズしながらエリアをとることが必要」
 会見でFL姫野和樹共同キャプテンは、次節に向けた課題を挙げた。
 この試合ではCTB岡田優輝が久々に先発。外側へしなる走りと着実にボールを繋ぐプレーで、安定感を示した。岡田は昨季は全試合に先発したが、今季は第3節のBR東京戦で先発以降、メンバーから外れていた。
「選ばれていないときは、チームファーストで何ができるか考えていた」。チームとして結果が伴わないことに歯がゆさを感じていた。
「対戦相手のムーブをどれだけチームに還元できるか考えていたんですが、それで勝てないのは、僕としても悔しかった」
 花園L戦、当初発表された先発はディック・ウィルソン。だが試合前日、コンディション不良で急きょ先発入り。いつでも出られる準備は整えていた。
 久々の先発は故郷・大阪での開催。
実家は大阪で洋食レストランを経営しており、関西での試合後は、選手の食事をデリバリーしている。
「今日、試合に出られて勝てて、自分の成長にもつながった。家族も見に来てくれました」
チームに食事を届けてくれた家族に、何よりの孝行ができた。
リーグワンはこれで6試合続いた交流戦が終了。次節からカンファレンスAのリーグ戦が再開される。チームは開幕で静岡ブルーレヴズに勝った後、4連敗。これからは、敗れた相手に借りを返す戦いだ。次節の相手BL東京は1月22日に対戦、25-63と大敗している。
会見で、これから勝ち続けるために必要なことを問われた姫野和樹共同キャプテンは、「自分たちのポテンシャルを全員で信じて、チームとしてコネクションを持って戦うのがいちばん大事。そのために僕がリーダーとして、先頭に立ってやっていく。僕自身、これまで共同キャプテンという立場もあって、一歩引いてる部分もあった。年齢も重ねてきて、下の選手も育てないと、ということもあったんですが、しっかり先頭に立って引っ張るのが自分の役割」
 チームは再び、頼もしいリーダーを得た。1試合ごとに調子を上げて、先を走る相手を脅かす存在になる。



①前半11、16分と連続トライを決めたCTBチャーリー・ローレンス
②第3節以来の先発となったCTB岡田優輝

③トライも決めたWTBヴィリアメ・ツイドラキは2度目のPOM


④3人のタックルを受けながらボールをキープするNO8フェツアニ ラウタイミ

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