3月5日の第10節で東京サントリーサンゴリアス(東京SG)から12季ぶり勝利を挙げた。これで通算成績4勝6敗。花園ラグビー場で開催される11日の花園近鉄ライナーズ戦は、今季初の連勝を懸けた試合となる。
その一戦で第6節・神戸S戦以来の復帰を果たすのが、4年目のHO加藤竜聖だ。東海大から加入し、過去3シーズン全試合にメンバー入り。同じポジションの先輩である彦坂圭克人と二人で、スクラムのかじ取りを担ってきた。
それが途切れたのは2月4日の第7節・S東京ベイ戦。メンバーに名を連ねていたが、瑞穂でのウォームアップ中に負傷、試合直前に外れた。
「スクラムを組んで落ちたときに、力が入らなくなって。注射で何とかして出ようとしたんですが、チームドクターから“無理だ”と」
診断は大胸筋の肉離れ。症例は多くないが、「何をするにも動かす箇所なので」、痛みで最初は寝返りも打てなかった。
治療は「時間」が薬。当初の復帰予定から少し早まり、東京SG戦を控えた週に全体練習に復帰した。
「これまでずっと試合に出ていたから、外から見るのは初めての経験でした。先週はバックアップメンバーとして、東京SG戦のウォームアップを手伝ったんですが、“こうやって自分は試合に出られていたのか”と。より一層チームのために、と感じました。これまでとは違う気持ちで臨めます」
地元愛知県出身。水野中学時代はBK、石見智翠館高ではバックローだった。高校卒業時、東海大の木村季由監督から「トップリーグを狙える」とHOとして勧誘を受けた。入学すると、同じポジションの同期は花園出場は当たり前。優勝チームの選手もいた。
「それがよかった。いろいろなことを聞けたので」
HOはスクラムのコントロールにラインアウトのスローと、求められる仕事は多い。
「専門職なので、やりがいを感じます。(スローイングで)投げる人は一人。緊張もありますが、出来たときの充実感が大きい」
順調な歩みを続けたが、大学時代、ケガでシーズン中に離脱する経験はなかった。それだけに今回、負傷から復帰までの過程は様々なことを考えるきっかけとなった。
「これから、自分で取り返していきたい気持ちはすごくあります。ケガする前と何も変わらなかったら、意味がない。チームはすごくいい状態なので、僕もエナジーを上げていきたい。エナジー派なので(笑)」
HOは先輩・彦坂圭が円熟味を増し、二人の不在時は2年目の延山敏和が穴を埋めた。
「ヨシさん(彦坂)の強みはお手本にしたいところがいっぱいある。学びながら追い越していけたら。ノベ(延山)も色々聞いてくるので、教えられることは伝えています。ヨシさんの成長も、ノベの成長も自分の成長に繋がる。一緒に底上げしていけたら」
まずは花園で「トヨタらしいラグビーを体現する」と意気込む。
「投げるのは一人。緊張感と充実感がある」というスローイング
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