【NEWS】エマージングブロッサムとして三浦、淺岡、秋山、茂野がトンガサムライ15戦に出場

三浦昌悟は「スクラムに手ごたえ」。
エマージング ブロッサムズ快勝

(※アシスタントレフェリーは滑川剛人さんでした!)

 
6月11日、2022年夏シーズン男子日本代表の試合が始まった。



第1戦は日本代表に次ぐ位置づけのNDS(ナショナル・デベロップメント・スコッド)で構成されたエマージング ブロッサムズが、日本でプレーするトンガ出身選手で結成されたトンガサムライフィフティーンと、秩父宮ラグビー場で対戦。互いに初めてのゲームとあって硬さも見られたが、エマージング ブロッサムズが前後半で4トライを奪い、31-12で快勝した。
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「いまいちばん日本代表に近い選手たち」。メンバー発表会見で、エマージング ブロッサムズの堀川隆延ヘッドコーチが述べたメンバーの位置づけだ。トヨタヴェルブリッツからは左PR三浦昌悟、右PR淺岡俊亮、SH茂野海人が先発。リザーブのLO秋山大地が後半27分に交代出場。それぞれ持ち味を発揮した。
「ディフェンスとセットで力を出してくれた」

試合後、堀川HCは勝因にセットプレーの安定をあげた。開始3分のファーストスクラム。グレーと白のジャージーのエマージング ブロッサムズが、相手の赤白ジャージーの塊を大きく押し込んだ。その後も優位に立ったスクラムは、アタックの起点となった。



SH茂野海人は日本代表で旧知のSO田村優主将とHB団を組み、ゲームをコントロール。試合前日、「コリジョン(衝突局面)で負けず、自分たちから仕掛けたい」と語っていた通り、積極的な仕掛けでチームのリズムを生み出した。7-7で迎えた前半26分、相手インゴールでSHがパスしようとしたボールに咄嗟に反応し、勝ち越しトライ。代表復帰に向けアピールした。



試合後のオンライン会見には三浦が出席。「この1週間、毎日スクラムを組み続けた。今日はセットでいいプレーができた」
三浦は今回、追加招集組。リーグワンでは序盤、納得いくプレーが出来なかったという。
「コロナで試合が中止になったことに対応しきれず、自分の中にストレスを抱えてしまった」
調子を取り戻したのは、シーズン半ばを過ぎてから。だから当初の発表メンバーに自分の名前がなかったことも、意外ではなかった。
「シーズン通してパフォーマンスの安定した選手が選ばれたんだなと」
落胆はしたが、そこで立ち止まることはしなかった。
「前回のW杯もそうですけど(最終合宿に招集)、最初はメンバーに入らなくても、いつ呼ばれるかわからない。それは経験しているので」

準備を怠らず、めぐってきたチャンスを活かした。
「前半はジャパンのスクラムが組めたのですが、後半、フッカーと淺岡がばらばらになった。もっと僕がコネクトすればよかった」と課題も見つかったが、「手ごたえはしっかりあった」と納得の表情だった。

この試合は、1月15日にトンガ王国を襲った海底火山噴火と津波による被害を支援するチャリティマッチとして企画された。トンガ代表が試合前に披露する戦いの踊り「シピタウ」は、トンガサムライフィフティーンのオリジナルが作られた。
「このチームを、いつかトンガ代表と対戦させたい。そのためにトンガ代表と同じではないシピタウが必要だった」と、発起人のシナリ・ラトゥー監督。スタッフも日本ラグビーで長く活躍したトンガ出身者で構成され、トヨタOBのロペティ・オト氏もBKコーチとして参加した。

この日集まった観客は8055人。トンガサムライフィフティーンのチャンスには大きな拍手が送られ、スタンドは終始温かい空気に包まれた。試合後もほとんど席を立たず、グラウンドで行われたセレモニーを見守った。今季はリーグワンの各チームも試合会場で募金活動をしたが、この日、秩父宮で集まった金額は293万3332円。ラグビーを通じた日本とトンガの絆が揺るぎないことの表れだった。

エマージング ブロッサムズ田村主将は「みんながこのチームを良くしたいと思っている。結果より経過が嬉しい。さらに成長を加速させたい」。NDSメンバーは、来週6月18日にウルグアイ代表と対戦、2試合の評価で日本代表への昇格が決まる。今回参加している4人も、この日のパフォーマンスを次週につなげたい。

文/森本優子

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